「それを知った研究所の人が、双子の良牙も同じように私が逃がすかもしれないと焦って私と良牙を引き離したの。…そして父親である隼人さんに良牙には私と綾香はいないものとして育ろと。教えたら私の命の補償はないと脅していたのよ」
「そうだったんだ」
「綾香は良牙に会った事あるの?」
あの心配性で優しい良牙の事を思い出して、思わず口元が綻んだ。
「うん。同じクラスにいるよ。良牙って優しいんだ。私に何かあるとすぐに助けてくれるの」
「………ッ、…そう」
止まっていた涙が再びこぼれ出す母さんのそれを、父さんが優しく手で拭う。
そんな二人の姿に、お互い愛し合い慈しみあっているのだと言う事が分かった。
微笑ましいその姿に、私はいつの間にか笑って見ていた。



