母さんの温もりと香りが何だか懐かしく感じる。
まさかこんな所で、母さんに会うことが出来るなんて---
お互いに身体を小刻みに揺らしながら、嬉し涙に頬を濡らす。
「会いに行けなくてごめんね」
その言葉に首を振った。
どうして会いに来れなかったのか分かったから---
「ううん、いいの。…母さんの分まで隆之さんが私を大切に育ててくれて、私は凄く幸せだったから」
「そう…、隆之が。…ずっとあなたの事が気がかりだったの。…でも、ここを抜け出すことも出来なかったしあなたの事を知る術もなかったから」
寂しそうにそう言った母さんの言葉に胸が詰まる。
私は…、
母さんには嫌われてはいなかった---
ほっと安堵の息をついた。



