【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「…あなたは?」


「東條 綾香…です」



震える唇を必死に動かし母さんの顔を見た。


私の名を聞いた母さんの顔は、徐々に驚きの表情へと変わる。




「私の…、娘?」


コクンと頷いた私の頬に、母さんの手が触れた。




「綾香…、会いたかった」


「私もすごく会いたかったよ…。母さん」



ゆっくりと身体を起こしながら微笑む母さんに私も微笑み、そっと抱きついた。