「……ンッ」
恢が続きを言おうとしたところで、母さんの唇から微かに声が漏れた。
「か…あさん?」
瞼がピクピクと動き、そして徐々に瞳がゆっくりと開いてゆく。
ボンヤリと天井を見上げている母さんに、両手を口元に寄せその光景をジッと見つめた。
熱く込上げてくるものを感じながらもそれを何とか押さえ込み、上手く出来ない呼吸をなんとか整える。
徐々に母さんの視線が動く度に、目頭が熱くなっていった。
「…恢?」
母さんの視線はしゃがみ込んでいる私にではなく、私の横で立っていた恢に目がいった。
自分をすぐに見てくれなかった事に酷く落胆してしまったけど目が合った時、何を話すかなんて考えてなかったから少しホッとする。



