【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「桐生先輩…」


「お前には名前で呼んで欲しい。恢…と……」


「か…い…」



名を呼ばれた恢が目を細め笑った。



今日のこの人は…、


本当にいつもと全然違う---



急に目の前からいなくなってしまいそうな、そんな予感がしてブルッと身体が震えた。




「恢…。さっきの返事だけど私、あなたの傍にいる…」


「綾香…」


私の言葉に目を丸くする。