「母さん…」
「………」
しゃがんでいる私の横に立っていた桐生先輩の手が、私の頭を撫でる。
それはとても温かく、私を安心させてくれた。
この人は…、
凄く優しい人だ---
そんな桐生先輩を一人にさせたくない。
唐突に、そう思った。
『俺が死ぬまで傍にいて欲しい』、…そう言っていた桐生先輩を思い出す。
…私も桐生先輩と一緒に寄り添って生きたい。
桐生先輩の事は、恋愛面では好きではない。
同情だけで傍にいるなんて後々後悔する事なのに桐生さんの温かさに触れたら、そう思わずにはいられなかった。
そして私は、優しげな表情でこちらを見ている桐生先輩に意を決して口を開く。



