【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



ゴポゴポゴポ---



カプセル内を満たしていた水が徐々に引いていき、そしてカプセルがパカリと上へと開く。


全ての操作を終えた桐生先輩は、さっきまで持っていたタオル生地の布を私に渡してきた。



渡された布を広げるとそれはバスローブだった。



これをどうしろと?


そう思ったけどカプセル内にいる、まだ目の覚めていない母を見てすぐに気がついた。


理解した瞬間、急いで裸だった母さんの身体にバスローブを着せる。



私が着せ終わるのと同時に、横を向いていた桐生先輩が動いた。




「桐生先輩?」


「…こっちだ」



母さんを横抱きで軽々と抱き上る。


そして端の方にあったソファーへと向かい、そこにゆっくりと母さんを下ろしてくれた。



私はその傍らに寄り添い、横たわる母さんの顔を覗きこむ。