【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「私の母をどうするって…」


「このままこのカプセルで延命させるか、ここから出すか」


「出しても…、いいの?」



桐生先輩から身体を離し、顔を上げた。


私の背をなで上げる手が止まり、切れ長の瞳が私を見下ろす。




「良くはないが…、俺だったらこんな所で一生飼い殺しにされるなんてイヤだからな」


「だったら…、出してほしい」


「その代わりお前の母親の寿命は短くなるぞ」



それはイヤだけど…、


私は母と命ある限り一緒に生きて行きたいから、強く頷いた。




私をジッと見つめていた桐生先輩も頷き、そして私から離れカプセルの前まで移動する。


そして先輩はカプセルについていたいくつかのボタンを、押し始めた。