【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



知りたくもない事が次々と桐生先輩から告げられ、頭がクラクラしてきた。


もう聞きたくないと桐生先輩に背を向けたところで、逃げるなと言葉が投げかけられる。



たとえ自分の事だとしても、もうこれ以上非現実的な事なんて聞きたくないよ---




「聞け…。辛いだろうが甘えるな。お前以上に辛い人間がここにいるんだ」


そう言った桐生先輩が、コツンとカプセルを叩く。


その音に反応して顔を上げ、カプセルの中にいる女性に目をやった。




この人は人体実験をされたと言う。



私と…、


同じ?




「聞かなきゃ…ダメ?」


「お前の母親の事だ。それでも聞きたくないか?」


「母さん?」


「このカプセルの中にいるのは、お前の母親なんだよ」


「えッ?」



再び桐生先輩に向き直った私に、衝撃的事実を私に突きつける。