「桐生先輩?」


「…お前、今日二回も捕まったんだろ?…マヌケだな」


「マ、マヌケって…。私だってそう思ってるんだからそんな事イチイチ言わないでよ」



この広い無機質な部屋の一角にポツンと一つ置いてある、会社用デスクと対にいなっていた椅子にゆったりと足を組みニヤニヤ私を見ている桐生先輩を睨んでやった。


そんな私の睨みなど気にしていないのか、鼻で笑われてしまう。



あ、嫌な感じ。


ムッと頬を膨らませたところではっと、辺りを見まわした。




そうだ!


そんな事よりここはどこなのだろう?



…桐生先輩がいるって事は、ここは学園内でいいのよね?




それにしては雰囲気がちょっと違う感じもするし、さっきまでいた黒服の男達や黒ヒョウの存在は見る影もない。




もう一度、辺りを見回してみたけどやはり黒服の人達はいないなと首を傾げた。