「綾香ーーーッ!!!」 やって来たのは蓮殿と九門殿だった。 物凄い速さで走って来た二人だったが丁度、綾香殿を乗せた車が発進してしまったところだ。 しかし二人はそれでも車を追いかけようと、俺達の横を通り過ぎる。 「待て、会長が体育祭を放り出してどこへ行く」 先生の言葉にピタリと止まった蓮に続き、九門も立ち止まる。 「蓮、俺一人で行く」 そう言って九門が走り出そうとしたその時だった。 誰かの携帯の着信音が鳴る。