「綾香をどうする気だッ!」
「………」
五人いた内の一人が鏡夜殿を押さえこみ、一人が気絶している綾香殿を抱き上げ近くに見える黒のワンボックスカーに向かって歩き出した。
それに続くように残りの三人と黒ヒョウも、わたし達の事など気にする素振りも見せずについて行く。
綾香殿をどこに連れて行くんだ?
このままでは綾香殿が---
何も考えずにわたしは、綾香殿を抱き上げている男の方へと走り出した。
「綾香殿ッ!」
「章吾様ッ!!!」
パシュッ---
突然、目の前に誰かが立ちはだかった為、わたしの足が止まる。



