「…け、獣?」 ストン--- 私の漏れ出た声に反応したかのように、同時に黒い獣が音もなく飛び降りてきた。 そしてゆっくりとした動作で数歩、こちらに向かって歩く。 「えっ?」 まさかこんな所で黒い猛獣とお目にかかるとは思わなかった私は目を見開き、ジッとその獣から視線を逸らさずにいた。 あまりにもその黒い獣が音もなく動くからか、それに全く気づいていなかった蓮と良牙も私の緊迫した空気に気づいて後ろを振り返る。 …が、振り返ったと同時に黒い獣が飛びかかってきた。