【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



この辺りに引っ越して来てからはよく、私は色々な輩に喧嘩を吹っかけられているのだ。


それは一体、どうしてなんだろうか?



引っ越して来てすぐの頃、絡んできた輩に手を出したのがいけなかったのかな?


と何となく思い出して、大きく頷いた。



そういえばそれ以後、私に喧嘩を吹っかけてくる奴等がやたらと増えてきたのだ。



きっとコイツラもそんなバカの一人なんだろうな…と、目の前に立っている男達を見ながら思った。




コツコツ---


アスファルトを踏みしめながら私に向かって来るのは先程、私に話しかけてきた金髪男。



それが紺色のパーカーについている、フード越しから見えた。