【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



ニヤリとイジワルそうに目を細める金の瞳を睨みつけたら、とろけるような笑みを向けられてしまい更に顔が赤くなる。


そんな蓮の顔に見惚れていると、その顔がいつの間にか近づいてきた。




驚きに瞳を瞬いていたら、唇を奪われてしまった---




「綾香…、これからは俺が守る。だから俺の傍にいてくれ」



すぐに離れた唇からもれる言葉にコクンと頷くと、ギュッとまた強く抱かれた。


蓮のコロンの香りに包まれ、心地よさに瞳を閉じる。




「幸せ」


思わず言葉にしてしまったのは、私の本音。


恥ずかしくなった私は蓮の胸に頭を埋めてしまった。



すると頭上に軽く何かが当たったのを感じ顔を上げると、蓮の顔が私のすぐ傍にあった。



すぐに気付いた。


頭にキスされたのだ。




うわっ、恥ずかしい---




「そこのバカップル。お前ら、俺の存在を忘れているだろ?」



仏頂面な物言いで言葉を発してきた良牙に、身体がビクンと跳ね上がった。