【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



手をゆっくりと下ろした金色の瞳を持つ男が、振り返って私を見る。




「綾香…」


「か…会長…、良牙…」



金色の瞳の会長と、紫色の瞳の良牙がそこにいた。




「二人のその瞳…、どうしたの?」



何故、二人の瞳の色がいつもと違うのだろう?


ボーゼンと佇んでいた私の傍に、誰かが来た事に気づく。




はっとしてその顔を見ようとした時だった。