「皆には悪いけど、退学になった人達の件…私が悪いとは思っていないから」
「な、何…『私に暴力を振るおうとしたのがそもそもいけないのよね?』」
「うるさいっ!あんたなんか死ねばいいのよ」
なんでもかんでも私のせいにされても…と、溜息を吐いたところで外から足音が聞えてきた事に気付く。
その足音は物凄い速さでこちらに向かって来ていた。
「…誰か来る」
「へっ?」
早すぎるその足音に、前方を見据える。
建物の中にいては走ってくる人間までは見えないけれど、それでもこちらに向かって来る人がまるで見えているかのように私はジッとその音を聞きながら目で追った。
序々に近づく足音に、ますます耳を澄ます。
「来たッ」



