【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「多分、退学にした生徒の友人が復讐する為、綾香に何かしらの報復を目論んでいるんだと思う」


「うん」



青治の意見に頷き綾香を探しに行こうとしたところで、青治に呼び止められてしまった。




「待て。俺達までここからいなくなると、生徒会の人間が誰もいなくなる」


「………」



そうだ…。


俺か青治のどちらか一人が残るのもダメ。



だって今、このテント内にいる生徒会の人間は俺達だけだから。


俺達二人は絶対に残るべきだと納得はしたが、それでも俺だって綾香を探しに行きたい。




そんな葛藤をしていると青治が俺の肩に手を置き、コクンと頷いてきた。


俺もそれに頷いたけど、やっぱりどこか納得していない自分もいた。



何だよ、時政も蓮も勝手にどっか行きやがって!


これじゃぁ残された俺らだけで、ここを何とかしなくちゃいけないじゃないか。




綾香に何かあったらと思うと、いてもたってもいられないっていうのに…、


こんなところに残らなければならないなんて、と悔しくて思わず地面の小石を蹴った。