【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



さっき、綾香を見ないようにしようと思ったにも関わらずまた視線が綾香を探してしまう。



しかし…、


そこには多くの生徒達に紛れているはずの、綾香の姿が見当たらなかった。



校庭内をくまなく探した…が、やはりどこにもいない。




ドクンッ---


心臓が大きく脈打つ。




嫌な予感がする---


一番後ろの列に並んでいた良牙も綾香の姿がないと気づいたのか、列から出て辺りを探し回っているところだった。




「蓮、どうした?」


俺の様子を見て先程の続きを言うのを止め、ジッと俺を見ている青治がそこにいるのが分かった。



しかし…、


それどころではない---



俺は一気に校庭へと向かって走った。