一生懸命走っている綾香を見ていると、思わず抱きしめてしまいたい衝動に駆られる自分に気付き目を見開いた。
俺は今、何を考えていた?
それを思い留めるようにグッと拳を握りしめる。
この思いは何でもない…、
綾香を見るな---
視線を綾香から外そうとした瞬間、そこにはゴールテープを切る綾香がいた。
長い前髪のせいで表情までは見えないが、それでも綾香から嬉しさが伝わってくる。
俺自身綾香の気持ちが同調するかのように、嬉しい気持ちになったのを感じた。
綾香という存在が、
俺の中で大きくなっている---
これ以上はダメだと一度瞳を閉じ、綾香を視界に入れないようにした。
もう、考えるな---



