「すまないが鏡夜『分かってる』」
めんどくさそうに一歩足を踏み出した鏡夜はそのまま歩き出す事なく、後ろ髪を惹かれるように校庭へと視線を向けた。
そのまま切なげに目を細め何かを追うように、鏡夜の視線がゆっくりと動く。
それにつられるように鏡夜の視線を辿ると、綾香が走っているのが見えた。
障害物競走に出ているのか---
綾香を見ていた鏡夜がソッと目を閉じる。
そして何かを振り切るように校庭に背を向け、歩き出した。
それにつられるように章吾もチラッと校庭を見てから、鏡夜の後を追って歩き出す。
そんな二人を見送った後、俺はまた一生懸命走っている綾香を見た。
一つ一つの障害物を軽々と越えていく綾香はいつの間にか、最後の障害物へとたどり着いていた。
少し視線を左へずらすと、だいぶ離れた所に二番手以降がいる。
綾香は相当早いペースで進んでいるのが、すぐに分かった。



