【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「……ッ」




ドキッ---


双子達の少し後ろにいる会長に思わず目がいく。



真剣な面持ちで会長は視線を書類に向け、何やら考え込んでいるようだった。




真面目な顔の会長って私にとっては凄く新鮮で、視線が会長から離れない。


そんな姿にコクン…と、私の喉が鳴ってしまった。




「綾香、頑張れ」


会長に見入っていたところでどこからか声が聞こえてきた。



見渡すと、テント内にいた時政先輩がニコリと微笑んでいる。


声をかけてくれたのは、時政先輩だった---




私も時政先輩に笑顔を向けた…けど私の前髪がジャマをして多分、時政先輩に私の表情は分からなかっただろう。