【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



  【時雨SIDE】


「蓮…」


「あ?」



開会式が終わり、その場から去ろうとする蓮を呼び止めた。



面倒そうに振り返った蓮は、ゆっくりとわたしを見る。




「さっきの開会式で綾香に微笑んだのはどうしてですか?」


「微笑んだ?…そんな気持ち悪い事した覚えはねぇ」



全く記憶にないとそう訴えるその顔で、さっき綾香に向けた笑みは無意識だったのだろう事が分かる。




やはり蓮は---