「全く分かんねぇな。…それより玄武、やけに綾香にご執心のようだが何があった」
「………何もないです」
俺から顔を逸らす瞬間に見せた玄武の顔は、真っ赤だった。
そんなに顔を赤くして、何もなかったと納得すると思ってんのか?
「玄武も綾香にやられちゃったクチ?でもねぇ、玄武にはあげないよ~。綾香は僕達のお気に入りなんだもんね~」
「ねぇ~、青竜。綾香はあげないよね~」
玄武をからかってやろうと口を開きかけたところで、双子達が口を挟む。
玄武は基本無口の為、双子達の口攻撃には勝てないと分かっているのだろう、すぐに口を閉ざした。



