【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



カラン…、


気味よい氷の音を聞きながら、目の前の飲み物を飲む。。


乾いていた喉を潤しながら、先程言っていたマスターの言葉に思わず口元が緩んだ。




『紅』にファンがいるとはね---


あの時のアイツの格好はフードを被っていて女の格好に見えるはずはなかった。



それなのに、不良共のファンが付くとはと笑っちまう。




緩む口元を、誰にも見られないよう肘をつき手の甲で覆った。