「綾香、待てッ!」
「ごめんね…」
桐生先輩の横を通り過ぎた綾香が窓から出ようと早足で歩き出す。
それを止めようと手を伸ばした時だった---
「綾香ーーーッ!!!………グァッ」
ダァァァァァァァンッ!!!!!!
俺は飛ばされ、壁に打ち付けられた。
クッ、呼吸が出来ねぇ---
腹の痛みに床に転がりながら、痛む部分を手で押さえる。
あまりの早さに今いち頭がついていけてねぇが、ここにいる桐生先輩が俺の腹に一撃を加えたんだろう事は分かった。
チッ。
突然、何すんだよ?
いや、桐生先輩の事なんてこの際どうでもいい。
とにかく、綾香を引き止めねぇと---
顔を上げ、もう一度綾香を呼ぼうと口を開いた。



