【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「そんな事をしてくれなくても、私一人でなんとか出来たのに」


「全てはお前の為に動いた事。礼を言われる事はあっても文句を言われる筋合いはない」


「私の為?…ならばお願いだから『もう全ては終わった。元には戻らないだろう』」



そう言うとガバッと顔を上げた綾香に睨みつけられた。




「皆の思いを無駄にするな」


「そんなの」


「そんな?…お前を思う皆の気持ちがそんなで綾香はすませるのか」



クッと唇を引き結び、俺から視線を逸らす綾香をジッと見つめた。