【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



  【白虎SIDE】


「………疲れた」


全く面白くもないお笑い番組を見ながらボンヤリ呟き、ソファーの上に乗っけていた足を行儀悪くもテーブルの上へと移動させた。




シャワーを浴びたばかりの髪の毛からは、水滴が滴り落ちる。


それをガシガシタオルで拭きながら、軽く目を瞑った。




今日一日、忙しく動き回ったおかげで体がすこぶるダルすぎる。


何もやる気がおきねぇ---


このまま寝落ちしちまいそうだ。


そんなまどろみの中、いきなりテーブルの上にあるスマホが着信を告げる。




誰だ?


こんな時間に電話なんかして…



スマホへと手を伸ばしかけ…、しかしすぐに手を引っ込めた。


画面に表示されていた名前は、顔の覚えていない女の名前だったからだ。




なんかもう、何もかもが億劫だ---


鳴り止んだスマホにホッとし、何気なく視線をカーテンの方へと向ける。




「……なッ?!!!」