【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「ありがとな。もう、座っていいぞ」


「ハァ…」


素直に座りながらも白虎に声をかけられた男は首を傾げていた。


白虎はその男から視線を外すと顎に手を置き、何やら考え込む。



そんな白虎の姿を後ろの席からジッと、前髪に隠れている眼鏡越しから見ていた。




…さて、白虎はどう思ったのか?


すると今度は辺りをキョロキョロと見回し始める。