【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「ふぅー」


バルコニーの柵を掴み誰の部屋かは分からない室内を覗き込むと、部屋には明かりがついていて人の影が見える。


この部屋の主が風紀委員長の桐生先輩ではない事を祈って---



そして窓に近づく為、一歩踏み出したその時だった。




な、なにッ?


物凄く嫌な視線を感じてしまった---



出来ればその視線に気付く事なく、この窓の先に住んでいる主の下に行きたいのに…


ブリキの人形のようにギギギギ…と首を動かし、引き寄せられるようにその視線の先を見た。




「………ひッ?!」



二つ隣のバルコニーに人の影があり、誰かが私をジッと見ているのが分かる。




間違いない。


絶対に誰かがこっちを見ている。