【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



そんな事を思っているうちに、静香さんが私の前の席に腰を下ろした。


静香さんは早速、パネルで夕飯を選びカードを機械にスライドさせた後私に視線を向けた。




「さっきぶりですわね」


「そうですね。今まで風紀の仕事をしてらしたんですか?」


「いいえ。章吾様に剣道のお相手をして頂いておりましたの」



あぁ…、


そういえばこの人は章吾の婚約者だったっけ…と思い出す。




それにしても章吾の事を口にした途端、頬をうっすらとピンク色に染める静香さん。


そんな静香さんを見ていると、許嫁として無理やり決められたようには到底思えない。