【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



クラス内に入ってきた当の本人は、ニコニコ笑顔で教卓の前に立つ。


そして教室全体を見回した。




「…このクラスにいる男の中で、赤いコンタクトをしている。もしくは持っているヤツはいるか?」


「…あ、ハイ」



白虎の言葉にクラスのみんなが目をパチクリさせる。




いきなり何を言い出すんだ?


そうボソリと呟く声が隣の席に座る男から聞こえてきたが、その声に被せるように真ん中辺りに座っていた男がソロリ…と手を上げ白夜に声をかけた。


白夜の視線がすぐに、手を上げたその人物へと向けられる。




その目はかなり真剣なものだった。