強い視線が、俺の身体を射抜く---
ボスと俺はどことなく似ているからか、考えている事がすぐ分かる。
そしてこの男も俺の考えている事など、手に取るように分かっているであろう。
思わずクッと口端を上げ、笑ってしまった。
「…恢。裏切るなよ」
「フッ、分かっていますよ」
この男は…、
綾香など本当はどうでもいいのだ。
ただ、俺のこの男に対する忠誠心のみ試したいだけ---
そう…今のところ、研究の成果が出たのはほんの一握りの人間のみ。
その内の一人である俺は小さい頃からずっとボスに仕えてるのもあり、研究室内でのほの暗い部分もよく知っている。
だからそんな俺を、手離したくないのだろう。



