【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



あの女の動き、姿、…そして香り全てが俺好みだった。




綾香は俺が手に入れてやる。


俺だけのモノ---




この男の手には渡さない。




「綾香を捕らえよ」


「…仰せのままに」



少し頭を下げ、そして顔を上げたと同時にボスと目が合う。


黒い笑みがさらに毒々しさを増すボスに、俺も笑みを浮べた。




まるで狸と狐の化かしあいだな…と、心の中で笑いながらクルリと背を向けドアへと向かった。