【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



自然と綾香に手を伸ばすと、綾香も握り返してくれた。


温かい綾香の手をギュッと握り締める。




手を握っただけなのに綾香と一体感になった感覚がした。


あれ?と不思議に思い綾香を見ると、綾香自身も驚いた表情を俺に向けてきた。




視線の合った俺たちの間に流れているのは、恋愛感情でもなんでもない。


ただそこにあるのは綾香に対する安心感のみで、その思いに胸が温かくなる。


それと同時にて懐かしい感情があふれ出した。




不思議な感覚を味わいながらどちらからともなく一歩、また一歩と少しずつ歩き始めた。



吹いた風に乗って横から綾香の香りが俺に纏わりつき、その心地よい香りに俺は瞳を閉じる。


  【九門SIDE END】