人から心配される事に慣れていない俺にとって、綾香のその心配そうな顔が少しこそばゆく感じる。
テレくさい---
思わず綾香から視線を逸らしてしまった。
それでも綾香を地面に座りっぱなしにさせてはいけないと、手を伸ばし立たせた。
チラリと見えた綾香には傷一つなさそうだ。
よかった…と、ほっと胸を撫で下ろす。
しかしすぐにあれ?と気付いた。
あの桐生さんが、傷一つつけないなどありえるのか?
イヤ…、
今までの桐生さんだったらありえないが---
それとも無傷のまま連れ去るよう言われていたのだろうか?
そんな事を考えていると綾香に、桐生さんがさやかさんの事を言っていたがそれはどういう事だと聞かれた。
困った---
会長には自分から綾香に言うと言われていたからな。
それに…



