綾香を放り投げニヤリと笑う桐生さんを見た瞬間、一瞬にして俺の目の前にいた。
そしてすぐに拳や蹴りが飛んでくる。
避けようと身体を捻るも、その先に桐生さんの攻撃が繰り出されるのだから堪らない。
あまりの速さに手が出せずなすがままにされた俺は、そのまま地面へと倒れた。
「イッテェー…」
手加減をしない桐生さんを見るといつもの冷静さがなく、怒りに満ちていた事に驚いた。
ピリッと痛みを感じた口元を手で拭う。
冷たい視線を向けてくる桐生さんに、ゾクリと寒気を感じた。
俺、殺されるも?
そんな雰囲気を漂わせているその男から放たれた、『…死にたいか』の一言で更にその場の空気を凍りつかせる。



