【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「私がお聞きしましたのは生徒会の皆様全員で、『紅』と言う方を探していると言う事ですわ」


「『紅』?……誰ですの?その方は」


「今、ちまたで賑わせている方らしいですわ。私も詳しくは存じませんが」



やっぱり私の事だ。


本当にアイツら、私の事を探しているのか---



心の中でひっそりと、ため息をついた時だった。



ガラッ


前扉の開く音にこの教室の中にいる全員が、扉を開けた人物へと視線を向ける。



この人!!!


扉を開けた人物に驚いていると、その人は教室内をキョロキョロ見ながら口を開いた。



「お前らちょっとストーーップ!」