しかし今、この男を殺せば虫の息である章平を助けることは出来ない。 だから、コイツを殺してはダメだと自分自身に言い聞かせながらこの男に願いを告げる。 「頼む。章平を…、峰岸章平を助けてくれ。助けてくれたら、なんでもするから」 「こうなったらもう助けられない事を、おまえ自身知っているだろう」 フーッと息を吐きながら少しずり下がったメガネを上げ、ニヤリと薄気味悪い笑みを浮べるそいつに苛立ち拳を握った。 「…おね…がいだ…」 「無理だな」