【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



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「離せッ!章平ッ、章平ーーーッ!!!」



俺の叫びも虚しく目の前では二人の黒服の男達に押さえ込まれ、メガネをかけた神経質そうな顔をした白衣の男が章平の腕へとゆっくり注射針を射してゆく。



その様子を、俺は涙を流しながら見ていることしか出来なかった。




「……うッ」


「しょう…へい?」



ガクリと膝ごと倒れ込み、その場で苦しそうに顔を歪めながら必死に何かを耐えるように震える章平に、これ以上何事も起こらないようにと身体を押さえつけられている俺はただそう願いながら見守る事しか出来なかった。