【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



  【九門SIDE】


蓮と分かれた後、寂れたビルの屋上でボンヤリと下界の景色を眺めていた。


小さく見える車が忙しく行きかう様を見ながら、今度は視線を空に向ける。




白い雲が空を覆っているからだろうか?


俺の心が重く沈んで行く---




そういえば…、あの日もこんな天気だったからか気温も今日と同様、少しだけ肌寒く感じた日だった事を思い出した。


あの日、俺は…綾香の母親と同様、小さい頃から仲良しだった親友をも見殺しにしてしまったのだ。



思わず手をギュッと握り、あの日の光景を思い出す。




あの時の…、


最期の章平の姿を---