ドクンドクンと、良牙の鼓動が聞えてくる---
良牙の温もりと、私を包むその香りが心地よい。
「良牙?」
「………」
私の肩越しに顔を埋めている良牙の息遣いを聞きながら瞳を閉じた。
何だか不思議な感じ…。
男性に抱きしめられているのにドキドキした感情は湧き上がらず、逆に凄く落ち着いてくる。
あまりの心地よさに、思わず良牙の胸に埋めていた私はそのまま身を委ねた。
その感覚はまるで父親代わりに私を育ててくれた、隆之さんと一緒にいるようで…
安心感のある良牙の存在に私は相当、信用しているんだなと思わず笑ってしまった。



