「飛翔っ、大丈夫?!ちょっと桐生先輩、何すんのよ!!!」
私を抱き抱えている、目の前の男を怒鳴り散らした。
大きな声に一瞬眉を寄せ嫌がる素振りを見せた桐生先輩は、それでもすぐに冷静な顔つきに戻るとそのまま何でもないと言う表情で地面に転がる飛翔を見下ろす。
そんな桐生先輩に物凄く苛立ちを覚えたものの、私も飛翔へと視線を戻した。
飛翔はピクリと身体を動かすと、私を見上げてきた。
骨は折ってなさそうだし、血も出てはいない…
大丈夫そうで良かった---
ホッと安心したところで飛翔に向こうへ行ってて…と、視線で促した。
頭の良い飛翔は一瞬私を心配そうに見た後、すぐに私の視界から飛び去る。
その後を追うようにジッと飛翔の飛び立つ姿を見ていると、何故か最後までその姿を見る事が出来なかった。
私を抱きかかえていた桐生先輩が、身体を反転させて歩き出したからだ。



