【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



この人は危ない---


本能が私にそう告げる。




「綾香様?」


「…ごめん。私、もう行くね」



二人の視線を無理やり断ち切ると、寮へと続く道を急いで歩き始めた。




足が…、


ガクガクする---




桐生先輩はまだ私の事を見ているのだろう。



視線がビシビシと伝わってきて身体が震える。