「………ッ!」
「………」
目が…、
合ってしまった---
さっきまで感じていた寒さなんて比ではないくらいのものが、私を包み込む。
私の前髪の奥にある瞳を食い入るように見てくる桐生先輩から視線を外したいのに、それを許さないと射るような瞳に身体が強張った。
「すみません桐生先輩、もう行きます。じゃ、綾香様。またね」
「…綾香?……上はなんだ」
静香さんがもう行きましょうと桐生さんを促すがジッと私を見つめ、そして名を聞かれてしまった。
もう今後、私と会う事もないのだから名前なんて聞かなくていいじゃない---
そう思いつつも、私の口が重く開いた。



