「静香さん」
「寮に帰るのですか?」
「はい、静香さんは?」
私の傍まで歩いてきた静香さんが、気軽に話しかけてきた。
午前中に少し会話しただけなのに、まるで昔ながらの親友に対する態度で話しかけてくれたのが嬉しくて、逃げ腰だった身体をその場に押し留め静香さんの話に耳を傾ける。
ただやっぱり先程から気になるのは静香さんの隣に立っている男だけれど、その男は微動だにする事なくこちらをジッと見ているだけだった。
「私はこれから風紀委員長の桐生恢先輩と見回りなんです」
「あ…、そういえば静香さんって風紀副委員長でしたっけ?」
そうなのよ…と、眉根を下げてそう言った静香さん。
そんな静香さんに、今までずっと気になっていた事を聞いてみる事にした。



