「今日から?かな…」
「と言うことは…、わたし達生徒会が綾香殿と接触したからですね」
「多分…」
多分…と言うか、絶対そうだけど---
うーん…と、考え込む章吾を見ながら今朝まであった自分の椅子より綺麗になった新しい椅子に腰掛けた。
高さも大きさも交換する前と同じだったから、すぐ馴染む。
そして目の前の机に視線を移すと少しも落書きされていない綺麗な机が目に入り、目を細めた。
良牙には昨日からほんと、助けられてばかりだ---
そう思いながら机をなぞってみると、指先にホコリがついた。
思わずクスッと笑ってしまう。
机を拭く…までは、するわけないか。
ホンと、良牙って見た目に反して凄く優しい。
それに一緒にいると妙に安心する自分がいる事にも不思議でならないのだ。
隆之さん以外で信用した事のある人間なんて、過去一人もいなかったのに---
まだ出会って間もないのに、良牙って不思議だなぁ。



