【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



ペコリと静香さんに頭を下げ、そして章吾と並んで歩きだした。




「…静香殿は少々うるさくてな。すまぬ…」


「へっ?別にうるさいと思わなかったけど…。楽しかったよ」



前を見ていた私は、隣にいる章吾へと視線を向ける。


そこにはなんとも申し訳ない…、と言う表情の章吾がいた。




「そうですか?」


「うん、静香さんすっごく良い人だったよ。素敵な婚約者だね」



そう言った途端、複雑そうな顔をされてしまった。




何故?