紅殿はどうしてそこまで、悲しそうな顔をするのか?
蓮殿と話せない…、
たったそれだけの事で---
何も出来ない自分に苛立つ。
わたしに話してくれれば、もしかしたら紅殿の悲しみを癒す事が出来るかもしれないというのに…
「あっ!章吾はなんで竹刀片手に、こんなところでウロウロしてるの?」
「あぁ…。生徒会や風紀委員は授業が免除されている事、知っていますか?」
「そうなの?」
「生徒会の仕事は忙しいので学年で十番以内に入っていれば、授業には出なくてもよい事になっているのです。その権限を使って仕事の合い間によく、竹刀を持ち稽古をしています」
「じゃぁ、稽古をする所だったの?なんかゴメン…。ジャマしちゃったね」
眉を下げる紅殿が何とも愛らしい---
頬を緩め、紅殿にそんな事はないと微笑みかけた。



