【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「ふふッ…。悲しそうな表情をしたり嬉しそうな表情をしたりして、忙しい人だね」


へらッと目を細める紅殿に、心臓が高鳴る。




ドクドクと心音がやけに大きい。


この音が紅殿に聞えているだろうか?




「…紅殿」


「んッ…。ちょっと、苦しい」



紅殿の身体を強く抱きしめてしまった事に気づき、すぐに腕を弛めた。


そして紅殿の頭上に頬を寄せてみる。